担当官は依然として小馬鹿にする態度を保っている。
「それは…どのような」
「息子は…核兵器を保有し、ある独裁国家を統治下に置くのです。その事が引き金になって第三次大戦が起こります」
「はぁ…第三次大戦ねぇ。確かに、核兵器保有がどうのこうのというメモは見つかったようだが」
「あれは私が見つけて警視庁に送ったのです」
担当官は、その時、幸四郎の言葉の矛盾に気づいた。
「総理は交通事故に遭われて亡くなった。あなた、それは予知できなかったのですか?」
羽賀の表情に最初の笑みが現れた。
それは哀しみと自嘲とが入り混じった笑みであった。
「もちろん判っていました。止めれば助かったでしょう。だが、助かれば世界は大戦に巻き込まれるのです」
羽賀は担当官を真っ直ぐに見据えた。
「あなたならどうしますか。子供の命と世界の平和、どちらか一つを選べと言われたら」
ぐ、と息を飲む担当官は、2つ目の矛盾に気づいた。
「あなたは息子さんを捨てたのですね?」
「…そうするしか無かった」
「ならば、そうまでして人命を尊重するあなたが何故、こんな犯罪を」
羽賀は机に突っ伏したまま、しばらく身動きを止めた。
六へ
「それは…どのような」
「息子は…核兵器を保有し、ある独裁国家を統治下に置くのです。その事が引き金になって第三次大戦が起こります」
「はぁ…第三次大戦ねぇ。確かに、核兵器保有がどうのこうのというメモは見つかったようだが」
「あれは私が見つけて警視庁に送ったのです」
担当官は、その時、幸四郎の言葉の矛盾に気づいた。
「総理は交通事故に遭われて亡くなった。あなた、それは予知できなかったのですか?」
羽賀の表情に最初の笑みが現れた。
それは哀しみと自嘲とが入り混じった笑みであった。
「もちろん判っていました。止めれば助かったでしょう。だが、助かれば世界は大戦に巻き込まれるのです」
羽賀は担当官を真っ直ぐに見据えた。
「あなたならどうしますか。子供の命と世界の平和、どちらか一つを選べと言われたら」
ぐ、と息を飲む担当官は、2つ目の矛盾に気づいた。
「あなたは息子さんを捨てたのですね?」
「…そうするしか無かった」
「ならば、そうまでして人命を尊重するあなたが何故、こんな犯罪を」
羽賀は机に突っ伏したまま、しばらく身動きを止めた。
六へ