しばらく進んで行くと、工事現場が見えて来ました。
「いた。あれじゃ」
汗まみれになって働いている宗嗣がいます。
先輩から怒鳴りつけられながら、懸命に働いています。
昼休みを知らせるサイレンが鳴り渡りました。
宗嗣は、仲間から一人離れてブロックにもたれかかって座っています。
ぼんやりと眺める先は、南の空です。
疲れ果てたその顔には、東京へ出てきた時の夢の欠片さえ残っていません。
「よし、風太よ、わしをあそこへ下ろしてくれ」
「はい、わかりました」
風太は、そぅっと風を放ちました。
置物ですから、割れては大変です。
慎重な風に乗り、シーサーは少しずつ宗嗣に近づいていきます。
ところが、あと一歩という所で風太は突然、横殴りの風に襲われました。
ビル風です。
風太は必死にバランスを保とうとしました。
シーサーが叫びました。「無理をするな、風太。わしは大丈夫じゃ。離せ。このままではお前も落ちてしまう」
「嫌です。シーサーさんを離すなんて」
シーサーは、落ち着いた声で言いました。
「風太よ。おまえの風は優しいのぅ。そのまま、真っすぐに育つのじゃよ」
シーサーは、風太の風から飛び降りました。
「いた。あれじゃ」
汗まみれになって働いている宗嗣がいます。
先輩から怒鳴りつけられながら、懸命に働いています。
昼休みを知らせるサイレンが鳴り渡りました。
宗嗣は、仲間から一人離れてブロックにもたれかかって座っています。
ぼんやりと眺める先は、南の空です。
疲れ果てたその顔には、東京へ出てきた時の夢の欠片さえ残っていません。
「よし、風太よ、わしをあそこへ下ろしてくれ」
「はい、わかりました」
風太は、そぅっと風を放ちました。
置物ですから、割れては大変です。
慎重な風に乗り、シーサーは少しずつ宗嗣に近づいていきます。
ところが、あと一歩という所で風太は突然、横殴りの風に襲われました。
ビル風です。
風太は必死にバランスを保とうとしました。
シーサーが叫びました。「無理をするな、風太。わしは大丈夫じゃ。離せ。このままではお前も落ちてしまう」
「嫌です。シーサーさんを離すなんて」
シーサーは、落ち着いた声で言いました。
「風太よ。おまえの風は優しいのぅ。そのまま、真っすぐに育つのじゃよ」
シーサーは、風太の風から飛び降りました。