「ミルク、どうした
のかな…」

「誰かに拾われて
飼われていたら
良いのだけど…」

家族には笑顔が
無くなった。

その日、町に初雪が
降った。

「お父さん。雪…」

「ああ。お父さん、
雪が積もる前に
もう一度探して
くるよ。」

「あたしも行く。」

皆、雪を拭おうとも
せず、探しまわった。
あきらめきれなかった。
きっとどこかにミルク
は生きている。

雪は全ての匂いも
景色も隠してしまう。
ミルクにはもう、
時間が無かった。

ミルクはほとんど
三本の足で歩いて
いた。
不自由な足はもう、
言う事を聞かなかった。

雪が激しさを増して
きた。


ミルクは力尽きよう
としていた。