勤務中に仮眠時間がある。
三時間弱だが、結構眠れるものなのだ。

夢さえ見ない。


昨日、同僚が一人、退職すると聞いた。
只でさえ激務が続くシフトが、酷務になる。

少し弱気になった。

気掛かりを残したまま仮眠に入ったせいか、珍しく夢を見た。


亡くなった母が、微笑んでいる。
痩せ衰えた母ではなく、まだ太っている頃の姿だ。

不思議と母は、太っている頃の方が元気だった。
よく、ゴルフや水泳に行ったものだ。

その姿の母が、ただニコニコと微笑んで座っている。


おかん…俺な、頑張ってるで。
家族みんな、頑張ってる。


母は何も答えず、ただ微笑んでいる。


そや、おかん。
俺なぁ、おかんにありがとうって言いたくて言いたくて。
ずっとそれだけを考えてて。

ありがとうな。

育ててくれて。

頑張ってくれて。

おかんの飯、いつも美味かった。

おかんの歌、大好きやった。

ありがとうな。

ほんまにありがとう。

母は、優しい顔のまま、静かに言った。

「ありがたいと思うなら、しっかり働いて家族を守りなさい。
それが何より、私が生きた証になるんよ。
あんたが家族を支えてるんやない、家族に支えてもろてるんよ。
それを忘れたらあかん」

久しぶりの説教は胸にガツンとこたえた。

何という事だ。
目が覚めたら、俺は泣いていた。


しかも寝過ごしていた。
おかん、ついでに起こしてくれよ(笑