梨恵は、胸を張り右の人差し指でビシィッと陽介を指した。

「ぐわしは中指と小指よ!あれは中指と薬指を曲げてるわ!
どちらかと言えば、スタンハンセンのファイティングポーズね」

何でそんなことを知っているんだと陽介は苦笑したが、確かに梨恵の言う通りである。

「なんだかミッキーらしくて良い感じよね」

「そうだね。…ありゃ?」

「あれ?」

違っていた。
そのポーズをしているのは、ミッキーだけでは無かったのだ。

グーフィーもドナルドもプーさんも、皆やっている。

「何かの合図じゃない?」

梨恵の問いかけに陽介は黙ったままだ。

「ねぇ。どうしたのよ?何か言いなさいよ」

梨恵が肩に手をかけようとした途端、陽介が立ち上がった。
「うわ。思い出した!ミリアンちゃんだ!」

「な、なによミリアンちゃんて!どこの女の子よ!」

憤る梨恵に陽介は笑って答えた。

「中学生の頃、近所に居た子。お母さんが日本でお父さんがアメリカ。夏休みの最初の日にやって来た。」

「綺麗だった?」

何だよ、妬いてんのかと軽く頭を小突く。
「うん、正直言って可愛い子だったけどね。
一度、命を助けた事がある」

3へ