「ねぇねぇ、知ってる?」

「なによ」

「この駅にさ、霊が出るのよ」
嬉しそうに話し合う女子高生達がいる。

「え?それってさ、殺された駅員の?」

「違うよ。そう言えばあれ、犯人つかまってないね」

「知らなぁい。教えて」

「ふっふっふ、その名はカッターおじさん」

「やだ、なにそれ」

「あのね、血まみれのスーツ着たサラリーマンが、
カッターナイフの刃を持ってさ、
匍匐前進で追いかけてくるんだって」

「あはは、なによそれ。なんで匍匐前進なのよ」

「アキレス腱切られたからだってさ。
もしかしたら、駅員もカッターおじさんにやられたのかも」

話しながら改札口へ向かった二人は、
直前に立っていた女にぶつかった。
「あいた。あ、ごめんなさい」
「すいませぇーん」

改札を抜け、聞こえよがしに悪口を言い合う。
「なにあれ。あんなとこに立ってたらさ、邪魔じゃん」

「そうだよね、なにあのボサボサの頭」

「アフロに失敗したとか」

「あはは」
「あははは」

笑いながらホームへ向かう女子高生。

その後をゆっくりと追いかける女がいる。


チキチキチキ