そして長い療養を経て、
どうやら次の一門会に
出演できるぐらいに
回復したのだった。

病床にある間も常に
稽古を続けていた為、
準備は万端だった。

が、当日の朝、今まで
に無い激痛が吉次を
襲った。


「吉次さん、これは
無理ですよ。」

「なに言うてます
ねや先生。なんぼ胃が
痛い言うても喋るのは
口だす。わては口が
動くうちは諦めまへんで!」


「判った。判りました。あなたの好きなようにしたら良い。だが私も楽屋についていく。」


「おおきに、おおきに先生…この吉次、一世一代の高座をお目にかけます!」