(あれ?)

取り置き棚に包みが転がっていた。

中身を確認して、直美は首を傾げた。

見た事が無い人形なのだ。
その証拠に、陳列してある商品の中に同じ物が無い。

不良在庫にしては綺麗だ。
汚れも無く、箱もしっかりしている。

とりあえずカウンターに人形を置き、整理と品出しを続ける。

あと少しというところで、カウンターで人の気配がした。

振り返ると谷山主任が、さっきの人形を丁寧に整えているのが見えた。

控え室での仏頂面が嘘のように優しい顔つきだ。
谷山は、整え終えた人形を箱に戻した。

不思議に思った直美は、谷山に近づいた。

「主任、おはようございます」

「ああ。おはよう。昨日はお疲れさん」

谷山は、人形を箱に戻し、テープで止めた。

「あの…主任、その人形って在庫に有りましたっけ」

谷山は、ふと手を止めると、ああそうか、とつぶやいた。

「君は今年が初めてのクリスマスか」

「はい」

「なら知らないのも無理は無いか…そうだな、知っておいてくれた方がいいか」

谷山は、人形の入った箱を直美に見せた。

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