兄の匂いを探す。

匂いはすぐに見つかった。

「全くもう本当にもう」
と愚痴りながら、小吉を置いてゆきかねない速さで走る中吉。

小吉も必死で後を追う。

「いた」

悪い予想が当たった。
大吉は、流れ猫達に囲まれ、小突き廻されていた。

「助けなきゃ」
飛び出そうとする小吉を中吉が止めた。
ヘラヘラと笑う大吉の姿が我慢ならなかったのである。

「なんだ、それでも闇軍団長かよ」

確かに情けない姿であった。

尻尾を丸め、耳を寝かし、今にも腹を上に服従しかねない。

「は。情けねぇヤツ」

「だな、よくこれで闇軍団なんて言えたもんだ」

大吉はそれでも逆らおうとしない。


「くそ、なんて情けない…」

涙ながらに呟く中吉。


「もういいや、みんな、こんなヤツほっとけ。」

「そうだな、行こうぜ」

大吉にようやく安堵の表情が浮かんだ。

行きかけた流れ猫が捨て台詞を吐いた。

「どうせ、こいつの弟もクソだろうよ」

「違いない。ゴミ箱がお似合いだ」


その台詞をさえぎるように大吉が叫んだ。

「待て、おまえら」
「…あぁ?なんか言ったか?クソ兄」


最終へ