男はインターステーツを西に向かっていた。
もうすぐフェニックスの南端である。
そこでI-10とI-8の分岐点を北に上がり、また西に向かう。
ロサンゼルスまでは、ひたすら走るしかない。
アリゾナ砂漠の退屈な景色の中、古ぼけたステーションワゴンは
快調に走り続ける。
カセットを入れ替え、今日四度目のドリー・パートン。
荒涼とした風景にドリーの煌びやかな歌声が脳天気に流れた。
時間はたっぷりある。
トランクに詰めた商品のサンプルと同じくらいにだ。
このまま真っ直ぐにロサンゼルスを目指すのが馬鹿らしく思えた男は、
横道に逸れた。
ナビなど付いていない。
付いていても何の役にも立たない。
己の勘と古いロードマップだけを頼りに生きてきた男にとって、
それは極めて当たり前の決断だった。
しばらく進んだ男は、己の決断を褒めてやりたくなった。
進行方向に真っ赤なコンパーチブルが停まっている。
「なんとまぁ…59年型エルドラドだと?!ゴージャスなこった」
が、彼の目を惹いたのは、車だけではない。
まるでロケットのようなテールフィンに腰をかけた女がいる。
ゴージャスな車にゴージャスな女。
ドリー・パートンのようなボディーラインだ。
蜂のように括れた腰にボーリングの玉のような胸。
陽の光にキラキラと輝くブロンドと、それ以上に輝く笑顔。
どうやら車が故障しているようだ。
男は軽くネクタイを締めなおし、車を停めた。
もうすぐフェニックスの南端である。
そこでI-10とI-8の分岐点を北に上がり、また西に向かう。
ロサンゼルスまでは、ひたすら走るしかない。
アリゾナ砂漠の退屈な景色の中、古ぼけたステーションワゴンは
快調に走り続ける。
カセットを入れ替え、今日四度目のドリー・パートン。
荒涼とした風景にドリーの煌びやかな歌声が脳天気に流れた。
時間はたっぷりある。
トランクに詰めた商品のサンプルと同じくらいにだ。
このまま真っ直ぐにロサンゼルスを目指すのが馬鹿らしく思えた男は、
横道に逸れた。
ナビなど付いていない。
付いていても何の役にも立たない。
己の勘と古いロードマップだけを頼りに生きてきた男にとって、
それは極めて当たり前の決断だった。
しばらく進んだ男は、己の決断を褒めてやりたくなった。
進行方向に真っ赤なコンパーチブルが停まっている。
「なんとまぁ…59年型エルドラドだと?!ゴージャスなこった」
が、彼の目を惹いたのは、車だけではない。
まるでロケットのようなテールフィンに腰をかけた女がいる。
ゴージャスな車にゴージャスな女。
ドリー・パートンのようなボディーラインだ。
蜂のように括れた腰にボーリングの玉のような胸。
陽の光にキラキラと輝くブロンドと、それ以上に輝く笑顔。
どうやら車が故障しているようだ。
男は軽くネクタイを締めなおし、車を停めた。