「あたしね、さっきの男と17で結婚したの。
貧しいけどすごく幸せだった。でもすぐに終わったけど。
ヤツはギャンブルしか頭に無いの。なんとか離婚できたけど、
付きまとわれてて。定時制の高校に入って、もう一度
頑張ろうと思ってるんだけど、ダメなんだなぁ…」
ルナが顔をおおった。
おおったまま、話を続ける。

「ある日、授業中にほおずき市の話題が出て。
あたし、人生って、ほおずきみたいだって
悟郎さんに愚痴ったんです。」

「ほおずき?」

「きれいに見えても、飾りにしかならない。
食べたらすごく、苦い」

「あぁ。それでか、食べられるほおずきが無いかって聞いたのは」

「そんなもの、あるわけ無いのにね」
そう言ってルナは寂しく微笑んだ。

ルナと別れてから、パツはつくね亭に行った。
軒先に黄色い熊がいる。手にほおずきを持っている。
パツは何となく、じっと見つめてしまった。