『古事記にある有名な話だ。だがこれは作り話ではない、真実なのだ。
東出雲町、広瀬町、八雲村を結ぶ三角形の中心に星上山という山がある。
その山頂近くで、私は誰にも知られていない古墳を発見した。
その奥に黄泉の国への入り口が在ったのだ。
私は明日、妻を迎えに行くつもりだ。
地獄だろうと黄泉の国だろうと構わない。
ただ一つだけ心配がある。
私は考古学を生涯の友としてきた男だ。
目の前に、神話の世界が広がっているのに、見ずに我慢することが出来るだろうか…』
またそこで話が途切れた。
稗田は、ほぅっと溜め息をつき、室内を見渡した。
皆、一様に何とも言えない表情でパソコンを見つめている。
「イッちまってるな」
定岡がかすれた声で言った途端、また西川の告白が始まった。
『居た!やはり妻は居た!声をかけたら、泣きながら喜んでくれた。
思惑通り、事が運んで怖いようだ。妻は神話通り、願いを叶えてもらうべく、ヨモツカミのところに向かうと言っている。』
ここで室内は水を打ったように静まり返った。
パソコンから西川のものでは無い声が流れだしたのだ。
かすれてはいたが、その声は誰かに女だった。
六へ
東出雲町、広瀬町、八雲村を結ぶ三角形の中心に星上山という山がある。
その山頂近くで、私は誰にも知られていない古墳を発見した。
その奥に黄泉の国への入り口が在ったのだ。
私は明日、妻を迎えに行くつもりだ。
地獄だろうと黄泉の国だろうと構わない。
ただ一つだけ心配がある。
私は考古学を生涯の友としてきた男だ。
目の前に、神話の世界が広がっているのに、見ずに我慢することが出来るだろうか…』
またそこで話が途切れた。
稗田は、ほぅっと溜め息をつき、室内を見渡した。
皆、一様に何とも言えない表情でパソコンを見つめている。
「イッちまってるな」
定岡がかすれた声で言った途端、また西川の告白が始まった。
『居た!やはり妻は居た!声をかけたら、泣きながら喜んでくれた。
思惑通り、事が運んで怖いようだ。妻は神話通り、願いを叶えてもらうべく、ヨモツカミのところに向かうと言っている。』
ここで室内は水を打ったように静まり返った。
パソコンから西川のものでは無い声が流れだしたのだ。
かすれてはいたが、その声は誰かに女だった。
六へ