『彰宏が入院しました。守山市民病院にいます。』

妻からだった。

まさか、あんな元気な彰宏が。
事故しか考えられない。
山崎は走り出した。
周りの皆が驚いて道を開ける。

息を切らして病室に駆け込んだ山崎を待っていたのは、妻と彰宏の笑顔だった。

「お父さん、どうしたの?すごい汗」

「どうしたのって…」

「あなた、ちょっと」

妻の春海が山崎を手招いた。

面談室には医師が待っていた。

「山崎さんですか。担当医の大石です」

「あ、どうも今回はお世話になりまして」

「奥様には、もうお話ししたのですが」それからの20分間、山崎は大石が何を話しているか判らなかった。

何だ。この人は何を言っている。
ウィルス性の拡張型心筋症?彰宏はまだ、13歳だぞ。なんでそんな病気にならなきゃいかんのだ。


「…なた。あなた」
春海に肩を揺すられる。見ると、春海は泣いていた。

そして、山崎はようやく現実を受け入れた。

「先生、彰宏は助かるんですか、どうすればいいんですか」
「薬で進行を遅らせる事もできますが、生存率は…70%の患者さんが5年前後」

「5…年」
三へ