日本三名泉と言えば、有馬、草津、そして岐阜県の下呂温泉である。

古くはその険しい山道に阻まれ、旅人が踏み入ることの無かった地である。
今では年間150万人もの観光客が訪れるようになった。
安藤広重が聞いたら歯噛みして悔しがるに違いない。
(彼はあまりの険しさに途中で引き返したのだ)

頃は11月。私も紅葉狩りと洒落込んだ。

下呂観光ホテル本館は、温泉街の喧騒から離れ、渓流沿いの高台に建つ。
7つもの露天風呂は、いずれもが紅葉の名所に面している。
くっきりと一枚一枚が浮かび上がるような紅葉が、すぐ目前にあり、しばし時の流れを忘れてしまった。

さて、このホテルのもう一つの売りは料理である。


「ささ、つくね様。お食事のご用意ができました。当ホテル自慢のあぶり会席でございます」

いやぁ、これが飛騨牛ですか
これを囲炉裏で焼くという。
なんともはや、贅沢ですなぁ

「こちら、前菜でございます。白身魚を鮭で巻いたもの。こちらはカボチャ饅頭。裏ごししたカボチャに挽き肉を詰めて蒸しあげたものでございます」


いただきます。
うん、最高ですな

洋風でありながら、懐石の味わいもある。
素晴らしい

「面白い趣向も御座いますよ。これこれ」

おっ!こりゃ椎茸の原木じゃないですか。
はは、こりゃすごい。
椎茸が木からニョキニョキ生えてる

「囲炉裏で焼いて召し上がれ」

こりゃ愉快。
紅葉狩りの後はキノコ狩りですな


「今回はですね、つくね様用に、もう一つ御用意差し上げております」

あ、いやぁ気を使わんでくださいな


「なんでも、聞くところによると、つくね様は生粋の熊でらっしゃるとか」


ええ。普段は人間の姿形ですがね


「そこでこれ。熊と言えば蜂蜜。たっぷり召し上がれ。総員退避ーっ!」

え。
みなさんどちらへ

あの
こんなにデカい蜂の巣を置いてかれても困るのですが


蜂蜜は俺専用ですから、普段はありませんよ(笑)