「徳さーんっ!」

うぉーい、と返事とも雄叫びともつかない声がした。

暗がりから現れた男は、年の頃なら60代後半、ごま塩頭で顔には深く年輪が刻み込まれている。
革製のエプロンをしていた。

「徳さん、すまねぇな、この人が特殊金属判定を見てぇんだとよ。」


徳さんと呼ばれた男は、私をチラリと見た。
「物好きだな。」

すっ、と手を出す。
「どれ。貸してみな。」

そのゴツい手に用意してきた金属を乗せた。

驚いた事に、徳さんは、その金属を舐めた。

「チタン。」

…当たりだ。次。

ペロリ。
「モリブデン。粗悪品だな。」


凄い。
ならばこれはどうだ!

ペロリ。
徳さんの目がじろりと私を睨む。


「…あんた。何でこんな物持ってる。こりゃオリハルコンじゃねぇか。」


「…判りますか。」

「なめんじゃねぇ。」

「なら、これは。」
「軽いな。どれ…」

ペロリ。

「ミスリルだな。」

「凄い…。ちなみに幾らで買い取れますか?」

「うーん…ミスリルソードか。650ギルだな。」


相場より、やや安いが仕方ない。

帰り道、私はコンビニに立ち寄り、ポーションを買った。