打ちひしがれた彼らを更なる試練が待ち構えていた。

「ハナクロさん、今夜は荒れるかもしれない。」
昔の怪我のせいで、マリンは天候の変化に敏感だ。

「マリンちゃんの天気予報は良くあたるからなぁ。
早めに隠れるところを探そうか。」

野良猫達にとって、台風は何よりの脅威だ。
はしゃいでいるのはミニーだけである。

幸いにも、大きな公園の隅にある用具小屋に潜り込めた。
段々と風雨が強まっていく。みな、体を寄せ合い、猫団子になった。
公園の木が何本か倒れる音が聞こえてきたが、疲れ切った猫達は
いつの間にか眠ってしまった。

短い眠りから覚め、外に出たハナクロ達は辺りを見渡して驚いた。
「凄い台風だったんだね、あちこちで木が倒れてる。」

「これはマリンちゃんのお手柄だ。天気予報が当たった。」
仲間達の会話を聞きながら、ハナクロは何かが気になっていた。

「さぁ、出発しよう。次のマークを探さなきゃ。」
そこまで言ってハナクロは、ようやく不安の正体に気づいた。

(倒れた木にマークが付いていたらどうしよう…)

今までのマークは、大抵が公園の中の木に付けられていた。
住宅地の中にある木だと、切られてしまう可能性がある、と思ったのだろう。
ただ、今回はそれが裏目に出た。
皆で探し回ったが、マークがついている木は無かった。

倒れている木が何本もあった。下側にマークがあったら、見る事はできない。
猫の力ではどうしようもなかった。

彼らはここまで来て、方向を見失った。