突然の悲報を受け取ったのが、昨日の夕方だった。

脳裏に浮かんだ顔と、死という事実がうまく結びつかない。
いつも朗らかで元気な奴だった。
急ではあるが、葬儀に出席となれば部長も文句は言うまいと、思った私が甘かった。

散々嫌みを言われ、ようやく残務処理を終えたのが夜8時過ぎ。

急ぎ帰宅し、取る物も取り合えず、故郷へ向かう汽車に飛び乗った。

あいにく、汽車はスキー客で満杯である。

車両内は効き過ぎた暖房と人の熱気とで、蒸し風呂のようだ。
傍若無人なスキー客の笑い声や酒の臭い、赤ん坊の泣き声、キツい香水。

私は珍しく汽車に酔った。

一晩中、一睡もできず、故郷の駅のホームに降り立った途端、少し目眩を覚えた。

ふらつく足で葬儀に向かう。
近くまで来たが、ふらつきは収まらない。

駄目だ。このままでは最後まで持たない。

幸いまだ時間はある。

少し離れた場所に理容店の看板が見えた。

私はそこで頭髪と体調を整えることにした。