「はい、弟ともっと
話さないと。あの子、
誤解してるんです。」
「誤解?」
「いいんです。あの…
本当にありがとう
ございました。」
「なぁ。あんた、
携帯持ってるか。」
「ありますけど…」
「また来る時にさ、
もしかすると、また、
偶然に俺は暇で
あんたと同じ方向に
用事があるかも
しれない。
連絡しろよ。」
「ほんとですか?
いいんですか!?」
俺は番号を聞き、
折り返し優子の携帯
にかけた。
聞いたことが無い
着うたが流れた。
「なんて歌だ?」
「これですか?私が
大好きな『心の愛』
っていう歌です。
スティービー・ワンダーって
いう人の。」
「ふーん。いい歌だな。
じゃあな、電話しろよ。」
「はい。…手。」
「手?」
「握手。」
「握手?」
「わたし、さよならって
手を振られても
わからないから。」
俺は優子と握手して
見送った。
俺の拳は、人を殴る
事しか知らなかった。
けれど今日、初めて、
人に触れる事を
知った。
小さな手だった。
まだ、感触が残って
いる。
俺は何となく、その手
をポケットに
突っ込んで歩き
だした。
話さないと。あの子、
誤解してるんです。」
「誤解?」
「いいんです。あの…
本当にありがとう
ございました。」
「なぁ。あんた、
携帯持ってるか。」
「ありますけど…」
「また来る時にさ、
もしかすると、また、
偶然に俺は暇で
あんたと同じ方向に
用事があるかも
しれない。
連絡しろよ。」
「ほんとですか?
いいんですか!?」
俺は番号を聞き、
折り返し優子の携帯
にかけた。
聞いたことが無い
着うたが流れた。
「なんて歌だ?」
「これですか?私が
大好きな『心の愛』
っていう歌です。
スティービー・ワンダーって
いう人の。」
「ふーん。いい歌だな。
じゃあな、電話しろよ。」
「はい。…手。」
「手?」
「握手。」
「握手?」
「わたし、さよならって
手を振られても
わからないから。」
俺は優子と握手して
見送った。
俺の拳は、人を殴る
事しか知らなかった。
けれど今日、初めて、
人に触れる事を
知った。
小さな手だった。
まだ、感触が残って
いる。
俺は何となく、その手
をポケットに
突っ込んで歩き
だした。