新しいプロジェクトを
任され、私はなかなか
公園で昼を過ごす事が
出来なくなっていた。

ショーちゃんの事が
気にはなっていたが、
その顔を見ない日々が
三ヶ月も続いた。

おかげで、新規事業は
無事立ち上がり、
私は同僚と共に痛飲
した。

少々、深酒が過ぎた
私は、帰り道、
とうとう歩けなく
なってしまった。
あの公園が見えた。
少し休んでいこうと
ベンチに横になった
私はそのまま眠り
込んでしまった。

季節はもう12月。
そのまま眠っていたら
おそらく死んでいた
かもしれない。

だが私は無事に夜を
乗り切る事ができた。

なぜなら、夜通し私を
暖めてくれるものが
いたからだ。

それはショーちゃん
一家だった。

彼女達が私の体全体
に寄り添ってくれた
為に、私は全く寒さを
感じる事無く夜明けを
迎えたのだ。


ショーちゃん一家に
何かお礼をしようと
コンビニに向かった。
いつもの棚に猫缶が
なかった。

「すいません。
キャットフードって
売り切れですか?」

「あぁ、もう売れなく
なっちゃったんで
在庫無いんですよ。」

「え?だってそこの
公園の猫達に買って
あげる人達が居る
と思うけど。」

「ありゃ。お客さん、
知らないんすか。
あの公園、保健所の
手入れが入って
猫達全部捕まった
んすよ。今、一匹も
居ないんす。」

私には店員が何を
言っているのか
よく判らなかった。

だって今の今まで、
体を暖めてくれて
たんだよ。
おかげで助かった
んだよ。

私はその時、
気付いた。
コートに一本も
猫の毛が付いて
いない。

ショーちゃん達は
もうこの世には
居ないんだと
その瞬間判った。



「あれ。お客さん。
どしたんすか。
…泣いてるんすか?」