朝からよく晴れ渡った日である。
その年、十歳になった者達が村の広場に集められた。
みな、今日から始まる専門魔法の修行に胸を躍らせている。
そこかしこに残る雪が子供達を眩しく照らす。

村長の合図で、おしゃべりが一斉に止んだ。
「それではまず、治癒の魔法。望む者は前に出よ」
二人が進みでた。
村でも一・二を争う秀才だ。
村長が、子供達の学びの記録を書き留めてある柔らかな紙を取り出した。。
「コトタンにネムか。うむ。おまえたちならば、必ずや良い治癒師になれるであろう。
認めよう。精々、励むがよろしい。
次じゃ。創造の魔法。望むものは進み出よ」

この創造の魔法が子供達に一番人気がある。
村で一番の稼ぎになるのも、この魔法であった。
ネジ一本から巨大な屋敷に到るまで術師の力量次第で
想い通りの物を作り出すことができる。
九人の子供達が進み出た。
その中には、テリシアの親友であるギンもいる。
小さく手を振って、テリシアに合図を送っている。
村長がそれぞれの記録用紙を見て微笑む。

「うむうむ。どの顔も自信に満ち溢れておるな。
この魔法を極められるかどうかは、これからの修行にかかっておる。
皆、良い物作りになれるであろう。励みなさい」

子供達が残り少なくなってきた。
「では次じゃ。食の魔法を極めたい者。前に出よ」

あたしだ。
テリシアは思わず、ハイ、と手をあげてしまった。
広場に笑い声が満ちる。
皆、テリシアが食の魔法を学ぼうとすることは予想していたのだ。


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