脱サラして、この道に
入って早五年。

日々修業で明け暮れたが、ようやく己の納得いくものが出来た。


「師匠。仕上がりました。」

師匠は、この道三十年。今年は人間国宝に推挙されると噂されている。


「どれ。見してみぃ。」

恐る恐る、作品を渡す。

大丈夫だ。今回の作品
の為に山に籠もり、
滝に打たれ、血の滲む
思いで作りあげたんだ。

俺の魂と引き替えに
出来上がったんだ。


「おみしゃん、何を思うてこれを作った。」

「は?」

「何じゃこれは。
こんなもんがメイドさんと呼べるか!
おみしゃん、それでも
プロのモデラーか!美少女フィギュアに
人生を賭ける言うたは
ありゃ嘘か!」


「も、申し訳ございません、ですが師匠。いったい何を心に作れば…」



「…萌え~ぢゃ!」

「…萌え~ですか」

「そうぢゃ。せ~の」


『萌え~』