しかし、階段に入る為の扉が開かない。悩んだ末に金田は、非常階段を降りることにした。

これなら給湯室の前を通らずに、自分の机に戻れる。

扉のサムターン錠を開け、外に出た。
月明かりが、かろうじて足元を照らす。
金田は慎重に足を踏み出した。




踊り場にそれは居た。
風にぶらぶらと揺れている。
腐臭が漂ってきた。失踪した飯岡の首吊り死体だった。

自分が妙なセリフを口走っていることに金田は気づいていない。
金田は、延々とつぶやき続けていた。



「飯岡…見ぃつけた」