一人が倉庫を出て行った。飯を買いに行くと仲間に言っている。
残りの一人が事務所へ入ったのを見定めて、彰宏は一階へ降りた。

「彰宏くんっ!」

「しっ!助けに来たよ。さ、僕の背中におぶさって」
ショーンの両手を結わえていたロープを解く。
彰宏は、そのロープを使い、背負ったショーンを固定した。
ショーンの足の筋肉がすっかり萎えていた為、それほど重くは無い。
なんとか立ち上がることができる。

彰宏は、もう一度事務所を盗み見た。
どうやら男は酒を飲み始めたようだ。まさか、歩くことが出来ないショーンが
逃げるとは思いもしないのだろう。

「行くよ、ショーン」

「うん。大丈夫?彰宏君?」

「まかせて。良い物を持ってるんだ」

「手ぶらに見えるけど?」

「この胸の中に、大和魂がある!」


十へ