「聞こえちゃったよ。なんだよ、乱蔵くんの娘さん?失礼だなぁ」

申し訳ございません。
実はですな、この子が言葉の意味を知りたいと申しますので。

「あぁ。あれ?乱蔵くんもやったヤツだね?ふーん…若いのに可哀そうに。
いいの?本当に」

ええ。獅子は千尋の谷に我が子を落とすとか言います。
熊もまた、負けてはおられませぬ。
どうぞ、ご存分に。

「お父さん。何のこと?こら、熊。何のことだっつってんの」

「ささ、ではまずヘソで茶を沸かすからいこうか。
お茶飲んで見てなよ、乱蔵くん。えい♪」

「きゃぁ。ヘソが、ヘソが熱い~っ!」

うむ。見事な沸かしっぷりだ、娘。アッサムにしてね。

「さ、行こうか。何々、食指とはどの指か、ね。ほりゃ」

「きゃあ。指が勝手に動くっ」

ほほう、人差し指のことか。なるほどねぇ。あーお茶が美味い。