店の駐車場に悟郎を下ろしたパツは、この間の男を
見かけた。どうやら今からまた、金の無心に行くようだ。

「はぁ…まったくもう。お節介もほどほどにしろよ、俺…」
肩をとんとん、と叩きながらパツは男に向かった。

「おい。兄さん。」

思い切り顔をしかめ振り返った男は、相手がこの間の金髪と判り、
たちまち携帯を取り出した。
「て、てめぇ待ってろよ。ぼこ殴りにしてやっからな」

「どうでもいいから早くしてくれ。チキン南蛮が待ってんだ」

「あ、俺だよ。なぁ、いますぐ来れるか?そう、ルナんとこ。
シャバイ野郎がいるんだよ。ぼこってくんねぇ?」

10分も立たず、駐車場にスクーターが溢れた。
男を入れて8人がパツを囲む。

「てめぇ、覚悟しろよ」
男がパツの胸倉を掴んだ。

パツが右手を上げた。
「5秒だ」

「あぁ?」

「その汚ねぇ手をどけるのに5秒だけ待ってやる」

そのセリフを聞いた途端、集団の一人が驚いたように
飛び出してきた。

「…あんた、まさかパツさんっ?!」

「おお。俺んこと知ってんか?」

男は土下座した。
「す、すんません、えらいことしちまって…おまえら、この人が
誰か知ってんのかよっ!恵比寿のパツさんだよっ!」

どよめきが沸いた。