家族の愛情を一身に
受け、ミルクは
すくすくと育った。
放浪の途中で傷ついた
右の後ろ足に後遺症
が残ったが、それ以外
は幸いにも無事だった。
三年が経ち、ミルクは
すっかり大きくなった。
ふくふくとした姿は、
家族に安らぎを
与えた。

ミルクはいつも出窓で
日中を過ごした。
暖かい陽だまりの
ような月日が過ぎて
いった。

その日もミルクは
いつもの出窓で
眠っていた。
季節はもうじき冬を
迎えようとしている。
大好きな出窓も、
少し寒くなってきて
いた。

ふと顔を上げると、
そこにトラックが
停まっていた。
荷台に暖かな陽射し
が当たっているのを
見たミルクは、
猫用の扉から外に
出て、そのトラックの
荷台に飛び乗った。

案の定、そこは
ポカポカと温かく、
ミルクはダンボール箱
の一つに入り込み、
いつの間にか眠って
しまった。

そしてミルクを乗せた
まま、トラックは
出発した。

行き先は敦賀市。
ミルクの住む家から
は150km以上
離れた場所であった。