ここに一人の少年がおりました。
少年も、もちろん台風やジェットストリームに
憧れています。
風の民だけではなく、少年にとって、憧れは
何よりの力ですからね。

この子の名前は風太と言います。
優しいお母さんと二人暮しでした。

お母さんは、春風を扱う風師です。
少年は、お母さんの暖かい風が何よりも大好きでした。
いつかは自分も一流の風師になって、お母さんに
楽をさせてあげたい、そう考えていました。

けれど、残念なことに、少年は他の子供達よりも
体が小さく、うまく大きな風が出せません。

少年の出す風は、とてもささやかなものでした。
仲間はそんな少年をからかって、『そよかぜ風太』と
呼びました。

風太は、何とかして大きな風を扱いたいと
毎日懸命に努力しましたが、小さな体では
どうしようもありません。
三へ