先生、ちょっと御報告があります。
近所に住んでる茶トラなんですが…

「知ってるよ、乱蔵。車に轢かれたようだな。
デカい割りに敏捷なヤツだったが…」

はい。まめ太かと思って走って見に行ったんです。
見た瞬間、違う猫だとは判ったんですが…

「あぁ、まめ太には車の怖さを教えてあるからな。
それにしても乱蔵。何故だ、何故、人は猫を
轢いたと判っているのに、そのままに出来るのだ」

先生、申し訳ありません。
全ての人間が、そんな奴ばかりじゃないんです。

「轢き逃げだろう?これは。犯人が判り次第、退治ても
いいな、乱蔵」

先生…そんなつまらない奴の為に、先生が手を汚すことは
ありません。

「判ってるよ、乱蔵。そんな気は無い。言ってみたかっただけだ」

本当に申し訳ありません。




「お前が謝ることは無いよ。…少し撫でてくれるか、乱蔵」

はい。

「人は猫を撫でることでストレスが解消するらしいな」

はぁ、そう言われていますね。

「猫も同じなんだよ。猫は、人に撫でられることでストレスが解消される」

…そうなんですか。では。なでなでなで。

「この家に来て良かったよ、乱蔵」



…先生、俺、がんばりますから。
必ず、猫の森を作りますから。


「あぁ、期待しないで待ってるよ」