「ふぅ。やれやれ、わしも焼きがまわったのう。
暗い方ばかりを見ていても仕方ない。
待っている子供達が居る限り、やらにゃあなるまいて」

世話になった、と爺さんは手を振り、空を見上げた。
「ほい、迎えが来たようじゃ。愛ちゃんと良樹くんに
言っとくれ。必ず、クリスマスプレゼントはもらえるよ、ってな」

上空から綺麗な鈴の音が聞こえてきた。
見上げた俺は、口を閉じるのを忘れた。
トナカイがソリを引っ張っている。
ソリは真っ直ぐに夜空を進み、爺さんの前で停まった。

「じゃあな、世話になった」
爺さんは軽やかにソリに乗ると、一声高く
「ほっほぅ!」とトナカイに声をかけた。
ふわっとソリが浮かぶ。
まだ俺の口は開いたままだ。
まさか、サンタクロースが大根で一杯やってるとは、
誰だって思わないだろ?
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