さっきからゴリゴリと五月蝿い。
いい加減にして欲しいものだが、
友人は止めようとはしない。
ここ何日もずっとだ。
コンクリート打ちっぱなしの床に鉄パイプを
擦りつけて先を尖らせようとしているのだ。
狭い部屋の中だ、埃も立つし腹も立つ。

「なぁ。この間から何をやってんだ?」

俺の問いかけに、手を休めようともせず
友人は答えた。
「何故って…何か争いに巻き込まれた時用にさ」

争いねぇ…
「あのさ、いい加減にしてくんないかな。
只でさえ気が滅入ってんだよ。
イライラする。」

「それは俺も同じ。これ以上、
お前の顔も見たくないぐらいだ」

険悪な空気が流れる。
お互いの間に張り詰めた空気が流れる。

「悪かった。なぁ、仲直りしようぜ。
飯にしないか。」

「いいけど…大事に食べていかないと」

それもそうだな。
ここは、地下深く掘られた核シェルターの中。
いつまでここに居なけりゃならんか判らん。

食料も少なくなってきた。
節約しなきゃ、もうあと4週間ぐらいしか保たないだろう。
それまでに地上に出られれば良いが…

一人なら充分なんだけどな。

あいつが居なけりゃ、何とかなりそうなんだが。


あぁそうか。
鉄パイプを尖らせていた意味が判った。

判った時には遅かったようだ。

胸の真ん中から、鉄パイプが生えていた。