その頃、街では嫌な事件が立て続けに起きていた。
爆破事件である。
被害に遭った企業に関連性は無かった。
学校や、駅までもが犯行の的になった。
おそらく、愉快犯ではないか、と街では噂で持ちきりだった。

ところが、事件は意外な解決をみる。

たまたまパトロール中の警官が、公衆電話ボックスで不審な行動をする若者を見つけた。職務質問したところ、なんとそれが爆破犯だったのだ。

しかし、事件はそれで終わらなかった。
犯人は、最後に一つ、爆弾を仕掛けていたのである。
それが私の住むマンションであった。

犯人は実に巧妙な手段を取った。部屋の鍵と爆弾の起動装置を接続したのだ。
鍵穴に、鍵が差し込まれた瞬間、通電して地下に仕掛けたニトロが爆発する。
更に、悪魔の知恵はその先にある。
解除用の鍵を差し込まない限り、部屋のドアを開けただけで通電するというのだ。

「でかいよ。今度のは。あんなマンション、全部吹っ飛んじまうね。けけ。」

マンションの住民には、外に出ないよう連絡が入れられた。
私の家族も、もちろん部屋の中にいる。
警察は苦慮し、犯人を締め上げた。

すると犯人は、ケタケタと笑いながら、取調べ室の机の上に、持っていた
袋の中身をぶちまけた。
それは、何百という鍵だった。