その柔らかい毛を撫でながら、杉子は小さな声で童歌を歌っている。
与助も下手ながら合わせて歌う。
「からたちの花が咲いたよ」
おかしな事に、猫もその歌に合わせて緩やかに尻尾を振っている。
「じっさま。この猫、うちで飼わんかね」
「はは、あかんちゅても聞かんじゃろ」
杉子は眼を細めると、子猫を見つめた。
こうすると少しは色や形が判るのだ。
「なんや、茶色のまめみたいな猫やねぇ」
「そうじゃな。うん、ならば名前は、まめ太がええな」
「まめ太。うん、ええなじいさま」
猫は、その名前を懐かしむように二人を見上げていた。
その夜のこと。
まめ太はピクリと髭を振るわせた。
まだ幼さが残る顔立ちがキリッと引き締まっている。
軽やかに庭に出た。
庭先に妙な物が居る。
老人のような姿だが、その顔に眼が無い。
代わりに両方の手の平に目玉が付いていた。
与助も下手ながら合わせて歌う。
「からたちの花が咲いたよ」
おかしな事に、猫もその歌に合わせて緩やかに尻尾を振っている。
「じっさま。この猫、うちで飼わんかね」
「はは、あかんちゅても聞かんじゃろ」
杉子は眼を細めると、子猫を見つめた。
こうすると少しは色や形が判るのだ。
「なんや、茶色のまめみたいな猫やねぇ」
「そうじゃな。うん、ならば名前は、まめ太がええな」
「まめ太。うん、ええなじいさま」
猫は、その名前を懐かしむように二人を見上げていた。
その夜のこと。
まめ太はピクリと髭を振るわせた。
まだ幼さが残る顔立ちがキリッと引き締まっている。
軽やかに庭に出た。
庭先に妙な物が居る。
老人のような姿だが、その顔に眼が無い。
代わりに両方の手の平に目玉が付いていた。