『そう。また当たり。
実は、ここに地球の設計図が隠されてある。
これさえ有れば、地球まるごと全て元通りに出来る』

「凄いじゃないですか。さすが創造主と言うだけある」

誉め讃える徹の前で、創造主は頭を掻きながら照れている。

「じゃ、問題なしですね」
頭を掻いていた手を下ろし、創造主は徹をじっと見つめた。

『実は一つだけ問題がある。
設計図として活かす為には、提供してくれた全てのDNAを解放しなけりゃならん。』

「解放?」

『つまりだな、簡単に言うと…死ぬってわけだ。
ただ死ぬわけじゃない。
そのDNAを提供した人間に対する記憶が全て無くなる。
全人類が共通して認識する人間が居ては不味いんだよ。
それは絶対的な神を作ってしまう』

「なるほど」

『で、だな。誠に申し訳ないのだが、佐野くん、
君が選ばれた。
全くの無作為なんだが、
君は条件を全て満たしている』

長い沈黙が訪れた。
たっぷり五分は続いたかもしれない。

おもむろに徹は口を開いた。
「…でも地球は助かるんですね」


『そう。断るのも自由だ。ヒーローにすらなれないのだから』

徹は、自分が居なくなった世界を想像してみた。
己を捨てた母親は、俺が居なくなっても何も思わないだろうか。