何か冷たい物が左手の小指から入り込んだ。

私の左手に激痛が走る。
みるみるうちに、黒く色を変え、肉が萎んでいく。
骨が浮き出てきた。

腕時計から先がミイラのようになるまで数分しか掛からなかった。

次の瞬間、私の左手はボトリと抜け落ちた。

なるほど、猿の手はこうやって作られたのか。
出来上がったばかりの猿の手、いや人の手が、もう一度ペンを握った。

『さて願いを叶えてやろう。飛行機事故で良かったな?』

私は痛みを堪えながら、以前私の手だったものに言った。

「あれは取り消してくれ。手を提供したんだ、それぐらい構わんだろ?」


手はOKサインを作った。なかなか不気味な見せ物だ。

「この家を燃やして欲しい」

再びOKサイン。


「二つ目。そこから動くな」

しばらくためらった後、OKサイン。


「三つ目は無い。俺と一緒にここで焼けるだろうな…残念だな」


手が動いた。
俺に向かって中指を突き出した。

下品な手だ。

持ち主の顔が見たい…


熱くなってきた