二日後。匿名の男からの通報により、
牧田が監禁されている家に警察が到着した。

「おい、この部屋だ。早く開けろ」

「う。居たぞ、縛られているようだ」
乗り込んだ警察官が牧田に近寄る。

「…死んでいるのか?」

「…いや、かすかだが息をしている。」
警察官が言う通り、牧田はまだ生きていた。
だが、生きているだけだった。

ピチョン。

「うるさいな。おい、それ止めろ」
「あぁ。判った」

一人が近寄り、水道の蛇口をひねった。
水滴が止まった。
唯一、部屋に聞こえていた音も止まった。

警察官がロープを切断しても、何の反応も無い。
ただ、低く笑っているだけだ。

「おい、気をつけろ。腕のあたりに針が刺さっている」

「え?あ、これか。ただの縫い針のようだが…」

牧田は、へらへら、にやにやと笑い続けていた。
その笑いは、二度とおさまることは無かった。