「はっはっは、どうやら変身が始まったようだな。
お前達、気をつけた方がいい。
口裂け女になったそいつには理性も感情も無い。
エネルギーがすぐに切れるんだがな、その為の
ベッコウ飴も豊富に用意してある。
さぁ、K-43。東京を恐怖の渦に叩きこんでやれ」

まりちゃんの両手が静かに降ろされた。
美しい瞳も、艶やかな髪も変わらない。
だが、その口が無残に耳まで裂けている。

「まりちゃん…」

「ぐぉぉぉぉぉっ!」
まりちゃんが咆哮をあげた。
必死に抱きつく樹林を引き摺りながら、歩き始めた。

「まりちゃん、やめろまりちゃんっ!君は口裂け女なんかじゃない、
まりちゃんっ!」
縄谷と多中も樹林に喰らい着くが、三人を引き摺ってなお、
まりちゃんの勢いは衰えようとしない。

「はっはっは、頑張れよ、都伝…隊だっけか」

「うるせぇワンコロ。あっちいけ、しっしっ!まりちゃん、
まりちゃーんっ!思い出せよ、都伝隊の事務所を
私たちの美しい愛の日々を」

「いつだよそれはっ!」
縄谷が本能的に突っ込む。