「わしら、多少腕は立つでな」

一番最初に現れた老人が、すっきりと真っ直ぐ立つ。

「くそ、じゃ遠慮しねー」

一人がナイフを出した。

「おぉ。出しよった」

さすがに顔色を変える老人達を割って出たのは、中でも一番小柄な爺さんだ。

「ではここはわしが」

「おぅ。塩田はん、ちょっと手加減してやり」

「ほ、でけるかのぅ…久しぶりの実戦じゃ」


言うが早いかスルスルと少年に向かう。
まるでナイフなど目に入らないようだ。

気迫に押されたように下がる少年は、とうとう木に行き場をふさがれた。

「あひぃ」

悲鳴のような奇声を上げ、ナイフを突き出す。

その手が綺麗に引かれたと同時に顎に平手が入る。
少年の体は、へそを中心に宙に浮き、そのまま地面に叩きつけられた。

「わちゃー…あれは痛いぞな」

「ちとやりすぎじゃ」

そう非難しながらも老人達は拍手している。

「弱いのぅ、坊主たち。汗もかけんぞな」

腰が引けてしまった少年達は、負け惜しみのように去勢を張った。


「おれら元々がバイク乗りだからよ、スピードじゃ負けねーんだよ」

四へ