その日は結局、何事も
無く過ぎた。
いつものようにイブは
夜の見回りに出た。
町内のそこかしこから
声がかかる。
「先生、お疲れ様
です。」
「やぁ。奥さんの具合
はどうですか。」
「おかげさまで、
何とか無事に出産
しました。」
先生は出会う全ての
猫達に優しく声を
かけ、調子の悪そうな
者には回復の気を
おくった。
そんな時、先生の肉球
は桜色に光るので
あった。
「先生。」
少し焦りを含んだ声で
話し掛けてきた者が
いる。
3丁目のアムであった。
「どうしたの。アム
ちゃん。」
「…見てください。
路地裏で見つけまし
た。」
先生はアムの差し出
した物を見て、眉を
ひそめた。
猫にもちゃんと、眉は
ある。
「アムちゃん。
これって…」
「はい。呪符では
ないかと。ただ、
この国のものでは
ないですね。」
「そうだね。この呪符
の構築式は日本の物
ではない。それと…」
「ええ。匂いですね。
」
先生とアムはもう一度
その呪符の匂いを
嗅いだ。
今までに嗅いだこと
のない香りがした。
得体の知れない香草
を炊き込めてある
ようだが、一つだけ
嗅ぎ馴れた香りが
ある。
血の臭いであった。
無く過ぎた。
いつものようにイブは
夜の見回りに出た。
町内のそこかしこから
声がかかる。
「先生、お疲れ様
です。」
「やぁ。奥さんの具合
はどうですか。」
「おかげさまで、
何とか無事に出産
しました。」
先生は出会う全ての
猫達に優しく声を
かけ、調子の悪そうな
者には回復の気を
おくった。
そんな時、先生の肉球
は桜色に光るので
あった。
「先生。」
少し焦りを含んだ声で
話し掛けてきた者が
いる。
3丁目のアムであった。
「どうしたの。アム
ちゃん。」
「…見てください。
路地裏で見つけまし
た。」
先生はアムの差し出
した物を見て、眉を
ひそめた。
猫にもちゃんと、眉は
ある。
「アムちゃん。
これって…」
「はい。呪符では
ないかと。ただ、
この国のものでは
ないですね。」
「そうだね。この呪符
の構築式は日本の物
ではない。それと…」
「ええ。匂いですね。
」
先生とアムはもう一度
その呪符の匂いを
嗅いだ。
今までに嗅いだこと
のない香りがした。
得体の知れない香草
を炊き込めてある
ようだが、一つだけ
嗅ぎ馴れた香りが
ある。
血の臭いであった。