ほとんどが人間に対して敵意を抱くものであったが、
中には、心優しいものや、ニコのように人になつくものも現れた。
ニコはテリシアの肩に乗れるぐらいの小さな生物だ。
長い毛が艶やかに体を覆う。その瞳は明暗によって形を変える。
明るい時には細く、暗い場所では丸くなる。
少しだけ尖った鼻先と小さな口。
耳は体と同じくらい長く、尻尾も太く長い。
四本の足先には普段は隠している鋭い爪と、柔らかな肉球があった。
ニコは暖炉の前で丸くなり、尻尾で体を包んでいる。
長い耳が柔らかく垂れているのは、穏やかに休んでいる証拠だ。
その体を優しく撫でるテリシアにマリアが訊いた。
「テリシア。あなたは今年、十歳になりました。
このミランの村では、十歳になった者には儀式が待っています」
「はい、かあさま」
テリシアの顔に喜びが満ちる。村の子供達は、長い間このときを待っているのだ。
「あなたは既に村の学校で基本魔法は教わっていますね。
けれど、十歳になったら得意な魔法を決めなくてはなりません。
さぁテリシア、あなたはどの魔法を選びますか」
もちろん、テリシアに迷いは無い。
「わたし、かあさまと同じ食の魔法が良いです」
6へ
中には、心優しいものや、ニコのように人になつくものも現れた。
ニコはテリシアの肩に乗れるぐらいの小さな生物だ。
長い毛が艶やかに体を覆う。その瞳は明暗によって形を変える。
明るい時には細く、暗い場所では丸くなる。
少しだけ尖った鼻先と小さな口。
耳は体と同じくらい長く、尻尾も太く長い。
四本の足先には普段は隠している鋭い爪と、柔らかな肉球があった。
ニコは暖炉の前で丸くなり、尻尾で体を包んでいる。
長い耳が柔らかく垂れているのは、穏やかに休んでいる証拠だ。
その体を優しく撫でるテリシアにマリアが訊いた。
「テリシア。あなたは今年、十歳になりました。
このミランの村では、十歳になった者には儀式が待っています」
「はい、かあさま」
テリシアの顔に喜びが満ちる。村の子供達は、長い間このときを待っているのだ。
「あなたは既に村の学校で基本魔法は教わっていますね。
けれど、十歳になったら得意な魔法を決めなくてはなりません。
さぁテリシア、あなたはどの魔法を選びますか」
もちろん、テリシアに迷いは無い。
「わたし、かあさまと同じ食の魔法が良いです」
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