「池田君、ここでバイト?」

「うん。ウーロンハイ、ちょっと待っててね」

にこやかに笑う。
里美は、少し見とれてしまった。
いつも後ろの方で講義を受けている里美は、池田の顔をしっかりと見たことが無かったのだ。

短めの髪、優しげな二重の目、浅黒い肌。
何よりも里美が見見とれたのは、その指だった。

「里美、里美ったら。聞いてんの?」

「え?あぁ何?」

「だから、良樹君はどうしたのって」

「良樹?あぁ、優しさと思いやりと愛情に溢れマン?
遠くの空でキラッ!って輝いてるわ」

酔っ払ってるの、と笑う涼子を無視して、里美の目は池田を追い続けていた。

変な言い方だが、店内を踊るようにすり抜けて注文を捌いている。

なんか綺麗、里美はまた、見とれてしまった。

三へ