現実のイブは、人の言葉が話せない。
そこで、若様の意識にリンクし、言霊の除霊を頼んだのだ。

つくね家は知る由も無かったが、家族中で最も強い霊能力を持つのは、長女の綾ではなく、若様であったのだ。

若様は、大好きな父の為に危険な役目をかって出た。

『よろしいですか、若様。おとうさんが言霊を背負って帰ってきたら、必ず祝詞を投げかけるのですよ』


「わかった。ぼく、がんばるよ せんせい」


『本当に呑気なおとうさんですね、乱蔵殿は。
苦労かけますね』


「いいんだよ、おとうさんだいすきだから。
あ、かえってきた」


『やはり連れて来たか…悪しき言霊。では、早速に祝詞をぶつけなさい』

「うん」


若様ただいまー
大丈夫?おなか痛くしたって母さんが言ってたけど…

「おとうさん」


なんだい?


「おならぷぅー」


最強の祝詞が発動し、見事に悪しき言霊を追い払った。

『見事ですよ、若様』
健気な姿を見て、イブはそっと涙を拭うのであった。