慎太郎さんは、
海軍航空隊に入隊
する事になった。

その当時の練習場が
あの山の向うに
あるんだよ。

練習用の飛行機が
時々、山を越えて
村の方まで飛んで
きてね。

慎太郎さんは
いたずら好きだった
から、わざと
小学校の上で
旋回したり。

わたしも、まだ
余裕があったね。
慎太郎さんが
単身赴任してる
ようなもんだ、
とさえ思ってた。


チラッと美緒が
こちらを見た。
なによ。
あんたに夫婦の事が
わかるかっての。


「ところが。
段々と戦況は悪化
していってねぇ。
食べる物も少なく
なって。自然と
ダイエットできたね。
あははは。」

「おばあちゃん。
続けて。」

「ああ、ごめん
ごめん。
とうとうね、日本は
ひどい作戦を考え
出した。

特攻隊、って言う
のを美緒ちゃんは
知ってるかね。