アフガニスタン北部バーミヤン地方の奥地。
焼け付く大地に汗を滴らせる男がいる。
村の広場からコーランが聞こえる中、男は
まるでアラーの神に礼拝するが如く、四つん這いになり
動こうとしない。
その右手にはサバイバルナイフ。
左手には刷毛が握られていた。
現地の人間では無いことは明らかだ。
泥に塗れている金色の頭髪が、それを
雄弁に物語っていた。

男は右手のナイフをそろそろと地面に突き刺していく。
決まった角度があるようだ。
きっちりと固めた手首が正確に地面の中を探っていく。
その動きが止まった。

「…BINGO」
刷毛に持ち替えて地面を優しく掃いていく。
緑色のプラスチックが現れた。
それは、この地に潜む悪魔、
反政府軍が埋めた地雷であった。
そっと掘り出し、ゆっくりと運ぶ。
少しでも傾けたが最後、手足が持っていかれる。
作業を始めてから既に30分は経過している。
仲間の一人が男に話しかけた。

三へ