友達から聞いた話。

その日、雅和は京都駅の一番ホームにいた。
烏丸堀川に住む彼女と遊ぶ約束であった。

今ひとつ決まらない髪型を直しながら、雅和は携帯をかけた。

「あと二十分ぐらいで着くから」

そう言い残し、歩き始めた。

やはり、どうしても髪型が決まらない。

おかしいな
こんなの初めてだ

お気に入りの曲でも聴くかとイヤフォンをはめた。

スタート。

途端にイヤフォンが逃げた。
意志在るもののように、うねうねとのた打ち、雅和の太ももに絡みつく。

「わぁぁ」

叫ぶ雅和を太い柱が待ち受けていた。

その瞬間、イヤフォンから笑い声が漏れたという。