夜勤明け、帰宅したら
娘が学校を休んで寝込んでいた。
風邪をこじらせたようだ。
もともと、あまり気管支が丈夫では無い彼女である。
急激な天候の変化も良くなかったらしい。

そっと部屋に入り、寝顔を見る。
このところ、あまり正面から見ていなかった事に気づいた。
いつの間にか、大人びた顔になっていたのだなと思う。
綺麗な目と鼻の丸さは母さん譲りだ。
ツンと尖った顎は俺譲りだ、申し訳ない。

何だか色々なことを思い出してしまう。
お前が喘息だと判ったとき、母さんは病院のロビーで泣いていた。
それからは毎年、何週間かの入院が恒例の行事になってしまった。

ベッドの上で出来る遊びなんて多寡が知れてる。
絵を描いたり、本を読んだり、縫いぐるみで遊んだり。
俺の絵本の読み方が面白い、と喜んでくれたっけか。
何とかして楽しませてあげようと必死だったんだよ、父さん。

どうやら中学生になってからは入院することは無くなったが、
時々はこうして寝込んでしまう。

心配してたが、どうやら、それほど咳は酷くないようだ。


おや、目を覚ました。


ただいま。調子はどう?

「うん。大丈夫。」

よかった。
ゆっくり寝てなさい。

「うん。」

…絵本でも読もうか?

「いくつだと思ってるの」

いくつになってもお前は父さんの大事なお姫様さ。


あ。いかん。余計に寒くさせてしまったようだ。