「あと二日が期限なんです。何でもいい、判ったら連絡してください」

深々と頭を下げ、高橋は和義とジャックを見送った。


散歩を続けながら、和義はジャックを観察した。何か有る筈だ。
大切な暗証番号を保管する方法が。

ジャックが信号で止まり、後足で首を掻いた。
首輪がチャリチャリと音を立てる。

「あ。あぁっ、そうか!首輪だ」

伝書鳩じゃあるまいし、脚にメモを結びつけておくなど不可能だ。

だったら首輪はどうだ?ジャックが嫌いな相手なら、番号どころか近づく事すら出来ない。


和義はジャックを優しく抱きしめると、そっと首輪を外した。

表裏をじっくりと調べる。

「何故だ?」

そこに数字は書かれていなかった。



高橋は銀行の前で、イライラと待っている。
時折、背伸びしては通りの向こうを見やった。

「来た!こっちです!」

「お待たせしました、高橋さん。やっと判りました。番号は4038です」

数分後、見事に金庫は開いた。

「やった!ありがとうございます、井口さん。
そしておめでとうございます。ジャックを世話している以上、この財産は貴方に権利がある」

「そうですか。なら、全額寄付してください」