その日からきっかり半年後、伊藤はまたやって来た。
今度も同じ熊を買い求める。
その笑顔も同じである。
一つだけ、いつもと違うことがあった。
伊藤が立ち去ろうとしないのだ。
「あの」
「はい。どうしたんですか、伊藤さん」
「あのですね」
「ええ」
「こ、今度の火曜日、お、お、お暇でしゅか」
言われたことの意味がよく掴めない。
「だめですか」
「い、いえ。お暇でしゅ」
つられてしまった。
二人とも顔を見合わせて弾けるように笑い合った。
「それはデートのお誘いですか?いいんですか、奥様」
しばらく間を置いた後、実はですね、と伊藤は話し始めた。
「今朝ね、またこの店に来ようと決めた瞬間、頭に浮かんだのは
美奈子さん、あなたなんです。僕ね、正直その時焦った。
亡くなった妻のこと思い出して自分を責めた。
で、たった一つ残ってたパペットを使おうって思った。
この店のはもう使うまい、って」
今度も同じ熊を買い求める。
その笑顔も同じである。
一つだけ、いつもと違うことがあった。
伊藤が立ち去ろうとしないのだ。
「あの」
「はい。どうしたんですか、伊藤さん」
「あのですね」
「ええ」
「こ、今度の火曜日、お、お、お暇でしゅか」
言われたことの意味がよく掴めない。
「だめですか」
「い、いえ。お暇でしゅ」
つられてしまった。
二人とも顔を見合わせて弾けるように笑い合った。
「それはデートのお誘いですか?いいんですか、奥様」
しばらく間を置いた後、実はですね、と伊藤は話し始めた。
「今朝ね、またこの店に来ようと決めた瞬間、頭に浮かんだのは
美奈子さん、あなたなんです。僕ね、正直その時焦った。
亡くなった妻のこと思い出して自分を責めた。
で、たった一つ残ってたパペットを使おうって思った。
この店のはもう使うまい、って」