夜勤から帰ると、大抵の場合、俺一人だ。

洗濯や洗い物を済ませ、米を研ぎ、アイロンをかけ、ビリー隊長と一汗流し、風呂に入ってから昼寝というのがお定まりのコースだ。

先生が昼寝に付き合ってくれるから、特に寂しくはない。

二時間ほど眠るのだが、以前はその間でも、家の灯りは点けたままであった。

特に理由は無い。
気がつけば常に階段の照明が点いていたのだ。

今は違う。

何故か。
ちゃんとした理由がある。

どうやら、無駄な電気をこまめに消せば、白熊くんが助かるらしいのだ。
このところの地球温暖化により、白熊くん達の住環境は激変している。
氷が溶けることは、彼らにとって生きるか死ぬかを分ける一大事である。
同じ熊として、仲間を見捨てるわけにはいかない。
たまたま豊かな国に生まれたからと言って、全ての快楽を享受できる資格など有りはしない。

とりあえず、必要ない電気は消し、コンセントは抜くことにした。

その時に呟く合い言葉は「白熊が困ってるから」である。

はい、皆さん御一緒に。

「白熊が困ってるから」

なに?
消すのが面倒だと?
私一人ぐらい構わないだろうと?

ほほぅ。

ならば、今夜あなたの枕元にのっそりと巨大な熊が立って

「白熊くんが困ってるんだがなぁ」

と囁き続けるぞ

先着五名様だ。