この地に日本人が居る。
『御聖体の宣教クララ修道会』のシスター根岸は、シェラレオネで人々を救い、既に二十三年を過ごしている。

内戦時、彼女は反乱軍に拉致され殺されかけた。一旦はジャングルに逃げ込んだのだが、当時の彼女はマラリアと腸チフスを患っており、動くことすら出来なくなった。

が、そんな彼女を現地の青年達が命懸けで運んだという。
彼等にとって、シスター根岸は失ってはならない存在だったのだ。
それほど凄まじい目に遭ったにも関わらず、内戦が収まった後、彼女はまたシェラレオネに戻った。

四年ぶりに戻った彼女を現地の人々は涙ながらに迎えた。

せっかく建設した学校は全て焼け落ち、0からの出発だ。

シスター根岸は、そのような状況に敢然と立ち向かっている。

外見は決して強そうな女性ではない。
優しげな笑顔を絶やさないおばさんといったところだ。
既に年齢は60歳を超えている。

が、メガネの奥に隠された瞳には、何とも言えないパワーが満ちている。

子供達を救いたい、教育を受けさせたい、その一心に溢れた瞳である。