改札を抜けた途端、憲二は足がすくんでしまい、立ち止まった。
後ろに続くサラリーマンが迷惑そうに避けていく。
(奴らだ)
町を我が物顔に荒らし回る奴らが居る。
普段は駅前では見かけない筈だが、何の気まぐれからか、
この日は駅の階段に座り込んで大声で騒いでいる。
勿論、憲二はそこを突っ切って行く等という無謀な
勇気を持ち合わせていない。
かなり回り道にはなるが、駅の東口から帰ることにした。
その時だった。
奴らが座り込む階段から、悲鳴が聞こえた。
通りかかった女性に悪ふざけを仕掛けたのだ。
(つまんない正義感は捨てろ、見て見ぬふり、触らぬ馬鹿に祟りなし)
口の中で呪文のように唱えながら、背中を向けた憲二の耳に、
聞きなれた声が飛び込んできた。
「きみら、そこらへんで止めときなさい」
それは憲二の父、隆雄であった。
後ろに続くサラリーマンが迷惑そうに避けていく。
(奴らだ)
町を我が物顔に荒らし回る奴らが居る。
普段は駅前では見かけない筈だが、何の気まぐれからか、
この日は駅の階段に座り込んで大声で騒いでいる。
勿論、憲二はそこを突っ切って行く等という無謀な
勇気を持ち合わせていない。
かなり回り道にはなるが、駅の東口から帰ることにした。
その時だった。
奴らが座り込む階段から、悲鳴が聞こえた。
通りかかった女性に悪ふざけを仕掛けたのだ。
(つまんない正義感は捨てろ、見て見ぬふり、触らぬ馬鹿に祟りなし)
口の中で呪文のように唱えながら、背中を向けた憲二の耳に、
聞きなれた声が飛び込んできた。
「きみら、そこらへんで止めときなさい」
それは憲二の父、隆雄であった。